公爵の娘と墓守りの青年


溜め息を吐き、呆れたように頭を緩く振るベルナートにカリンは快闊に笑う。

「……で、ウチのカイを狙う丸いオッサンは何時ここに来る? っていうか、あの丸いオッサンは懲りないな。何度も返り討ちにしてやったのに」

カエティスとミシェイルの間に立ち、二人の肩に手を置きながらカリンは問い掛ける。

「もうすぐここに来られるらしい。ただ、今回は本人ではなく、伯爵の部下が来られるという話のようだよ」

カリンの後半の言葉はしっかりと流し、ベルナートは答えた。

「部下、ねー。あの丸いオッサンにちゃんと部下がいたんだ。まぁ、ここはウィンベルク公爵が治めているから、頭の悪い丸いオッサンでも流石に本人が行ったらマズイって分かったか」

「前は別の街で襲って来たからな。でも、今回は本人ではなくても、部下が何をするか分からないんだ。だから」

「だから、逃げろって? 冗談は休み休み言え。逃げるだなんて趣味じゃない。どうせ逃げても追い掛けて来る。だったら、ここで返り討ちにしてやった方がいい。大体、ここは私とカイの家だぞ。逃げる必要が何処にある」

ベルナートの言葉を遮り、カリンは憤慨した。