公爵の娘と墓守りの青年


「び、びっくりしたぁ……。先生、さっき昼食を食べたばかりじゃないですか」

目の前にのっそりと立つ黒い髪、赤い目の人にカエティスは言う。

「阿呆。カイ、お前が街に繰り出した後、ここで何があったのか知らないからそう言えるんだ。先生はなぁ、ここで司祭のベルと共に魔物と戦っていたんだよ。だから、疲れた。夕食」

「……カリン先生、また魔物が来たんですか。俺、また呼び寄せちゃいましたか……?」

申し訳なさそうに言い、カエティスは俯いた。

「いや。今回は違う。たまたまやって来ただけだ。お前が呼び寄せたのなら、お前がいる時に来るだろ」

「そうですね……」

「そんなことは置いて。今日の夕食は何だ?」

「う〜ん。スープと何か肉料理はどうです?」

カエティスの提案に彼の先生――カリンはニヤリと笑う。

「おっ、いいねー。ミシェイル、お前も食べるだろ? カイの手料理」

ミシェイルの頭を撫でながら、カリンは聞く。

「食べるー!」

「いい返事だ。という訳だ、カイ。ほら、作れ」

ミシェイルの頭を掻き回しながら、カリンはカエティスに言う。