公爵の娘と墓守りの青年


「うんっ!」

嬉しそうに大きく頷き、ミシェイルはしっかりとカエティスの手を握る。
カエティスはミシェイルの小さな歩幅に合わせ、歩き始めた。
街の外れにあるこの小さな森は、街の者達はあまり足を踏み入れようとはしない。
どうしてなのかは、まだ子供のカエティスには誰も教えてはくれないのだが、この小さな森には何かがあるらしい。
気になるところだが、その前に自分のことが気になるので後回しだが。
今更、自分の両親が気になるというのはないのだが、自分のこの異なる色の目が気になってしょうがない。どうして、何故、他の人と違う色の目をしているのか。

――悩みは尽きない。

カエティスは隣を嬉しそうに歩くミシェイルに気付かれないように息を吐いた。
小さな森の奥へ進み、二人はひっそりと建つ家に着く。
そのまま、家の中に入ろうとカエティスは取っ手に触れる。
その時――。

「……カイ、今日の夕食は何だ?」

背後から今にも倒れそうな低い声が聞こえた。

「わぁっ?! えっ、先生!?」

心臓が口から出て来そうなくらいカエティスは驚き、振り返る。ミシェイルはびっくりし過ぎたのか、固まっている。