公爵の娘と墓守りの青年


木の枝に小さな巣があり、二、三羽の鳥の雛が小さな頭を出しているのが見える。

「うん、あるね。雛もいるみたいだね」

「その雛のね、お母さんとお父さんが居ないの。だから、僕みたいにお母さんやお父さんは居ないけど、カエティスお兄ちゃんがいつも僕に優しくしてくれるように、雛にもしてあげたかったの……」

俯きながら、ミシェイルは小さく話した。
話を聞いたカエティスはにっこりと微笑み、ぎゅっとミシェイルを抱き締めた。

「良い子だね、ミシェイルは。俺みたいに悪い子じゃないね」

「カエティスお兄ちゃん、悪い子じゃないよ。優しいよ! いつも僕のこと、心配してくれるもんっ!」

「そりゃあ、ミシェイルは弟のような子だからね。年上のお兄ちゃんとしては頑張りたくなるんだよね」

言いながら、カエティスは分厚い三冊の本を取る。

「さてと。俺は家に戻るけど、ミシェイルはどうする? 司祭様がいる聖堂に帰る? それとも、先生と会う?」

「昨日、会ったけど、先生のところに行く!」

ミシェイルは元気良く答えた。

「じゃあ、行こうか」

片手で分厚い三冊の本を持ち、カエティスは空いた片方の手をミシェイルに差し出す。