公爵の娘と墓守りの青年


「ほら、おいで」

笑うカエティスに申し訳なさそうに頷き、ミシェイルはしがみついていた木の枝から飛び降りる。
飛び降りるのを認めて、カエティスは少し広げた足を踏ん張り、ミシェイルをしっかりと受け止めた。
踏ん張りが足らなかったのか、カエティスは地面に尻餅をついた。

「ふぅ。ミシェイル、怪我はない? 大丈夫?」

ぎゅっとしがみついたまま離れないミシェイルの頭を撫で、カエティスは聞く。

「うん……大丈夫。でも、怖かったよぉ〜」

木の枝から離れたこと、カエティスが助けてくれたことに安堵したのか、ミシェイルは泣き出した。

「良かった。ミシェイル、頑張ったね」

しがみついたまま泣くミシェイルの背中を優しく撫で、カエティスは穏やかに言った。

「ところで、どうして木に登ったんだい? ミシェイル」

泣き止むのを待ち、カエティスはミシェイルに尋ねた。

「あそこの木に、巣があるの」

自分が先程までいた木の枝をミシェイルは指を差す。
ミシェイルの小さな指が差す場所をカエティスも見つめる。