「ん? この声……ミシェイル?」
不思議そうに眉を寄せ、カエティスは辺りを見回す。
「ミシェイル、どうしたの? 何処?」
「カエティスお兄ちゃん、上ーっ」
「上?」
ミシェイルの言葉に、カエティスは頭を上へ向ける。
見ると、明るい茶色に少し赤色が混ざった髪、緑色の目をした幼い少年が木の枝にしがみついていた。
「ミ、ミシェイル!? ……もしかして、このことを伝えるために君達は俺に付いて来たの?」
木の枝から落ちそうなミシェイルに驚きつつも、カエティスはカラス達に尋ねる。
カラス達は肯定するように一回鳴く。
「……そっか。ありがとう。後は俺で何とかするから」
安心させるように笑い、カエティスはカラス達に言う。その言葉にカラス達は安心したのか、ゆっくりと木の枝から離れていく。
それから、抱えていた分厚い三冊の本を土が掛からない場所に丁寧に置き、カエティスは木の枝にしがみつくミシェイルを見た。
「ミシェイル、俺が受け止めるから飛び降りてごらん」
両手を広げ、カエティスはミシェイルに投げ掛けた。
「そんなことしたら、カエティスお兄ちゃんが怪我するよ」
「大丈夫だよ。ミシェイルくらいの体重なら軽いし、いい運動になるから」
にこやかに笑い、カエティスは尚も両手を広げる。


