公爵の娘と墓守りの青年


きっぱりと言うウェルシールとリフィーアに、カイはがっくりと項垂れ、息を吐いた。

「そうしたいのは山々なのですが、私も嫌です。私も貴方とイスト兄さんに聞きたいことがありますから」

にっこりと笑って、エルンストも拒否した。

「えっ、エル、俺に聞きたいことって何だよ?」

普段なら危険だと判断したら従うはずの弟が拒否をしたことに驚き、イストは目を見開いた。

「後でしっかり聞かせて頂きます。それよりも、あの人をどうにかするのが先だと思いますが」

「……その通りなんだけど、危ないから離れて欲しいな。俺としては」

言いながら、青年が放つ黒い光をカイはシャベルで弾く。

「今は彼一人だけど、もしかしたら増えるかもしれない。そうなると流石に君達を守りながらは難しいよ」

攻撃を止めない青年の黒い光を弾きながら、カイは自分の後ろにいるウェルシール達に言う。

「話は後でいくらでも聞くから、今はこの墓地から離れて欲しいな」