その青年がこちらに目を向けてくるなり、口を開いた。
「……ウィンベルク公爵家の血の気配……」
そう呟き、風のような速さで青年はリフィーアとの距離を詰めた。
驚きのあまり、リフィーアは声を上げるのも忘れ、立ち尽くした。
距離を詰める青年の手がリフィーアに伸びる。
「――リフィさんっ」
青年の手がリフィーアに伸びようとした時、横から声と共にその人は彼女を庇うように前に立ち、そのまま彼女を軽く抱き上げ、相手から距離を空けた。
距離を空けたリフィーアと彼女を守った人の前に、更に二人の青年が警戒するように剣を構えて立つ。
リフィーアは見知らぬ青年の手から守ってくれた人達の正体に気付き、目を瞠る。
「リフィさん、怪我はありませんか?」
「ウェ、ウェル様?! どうして、こちらに!?」
「カイさんに会いに来たんです。本当は明日、伺おうと思ったのですけど、どうしても気になったことがあって。そうしたら、リフィさんが襲われそうだったので……」
頬を掻き、ウェルシールは腰に掛けてある細身の剣の柄を握る。
「リフィさん、怪我は本当にないですか?」


