公爵の娘と墓守りの青年


「……闇の力に魅せられ、狂ってしまった王になろうとした者達によって兄上達は殺された。私の目の前で」

俯いたまま、マティウスは姪の問いに頷く。

「……だが、その者達は狂ってしまった王になることは出来なかった」

「どうしてですか?」

「順序通りに殺していないからだよ」

「……順序?」

叔父の不可解な言葉にリフィーアは眉を寄せた。

「順序というのは、封印を行なった時の順序。もし、解くのであれば、封じた時のその逆に解かないといけない。封印を行なった時の順序は、守護騎士カエティス、ウィンベルク公爵、クウェール国王。解く場合はその逆に解いていく」

リフィーアに説明しながら、マティウスは溜め息を吐いた。
出来ることなら姪には教えたくない、そんな表情を浮かべている。

「殺さなくても、封印を解くことは出来る。だが、当主は争いが起こるかもしれないから、もちろん解こうとはしない。だから、直系の当主の命を狙い、奪う。奪い、その血を封じた場所に流し込めば封印は解ける。そして、兄上は殺された。だが、順序が違っていた」

「……そんな理由でお父さんとお母さんが……」

膝の上に乗せた手をリフィーアは白くなるまで握り締める。