「――叔父様。私、聞きます。覚悟がどうとかよりも前に、知りたいんです。何故、両親が殺されないといけなかったのか。どうして、命を狙われないといけないのか」
口を引き結び、リフィーアは膝の上に乗せた手に力を入れた。
「だから、叔父様。本当の話を聞かせて下さい。覚悟は後でいくらでもします」
「……分かった。リフィーア、話そう」
――悲しい、長い昔話を。
一度、言葉を止め、息を吐いた。
そして、マティウスは静かに唇を開いた。
五百年前、クウェール王国の若い王はこの世では見たことがないような美しさを持つある少女に一目惚れをした。
だが、その少女は彼に気付くことはなく、王も一度しか彼女に会うことはなかった。
その後、王は世継ぎが必要な為、別の女性と結婚した。
王はその美しい少女を忘れることが出来なかったが、王妃となった女性を愛した。
それから十数年後、息子へ、孫へ玉座を譲り、王は国の隣にそびえる緑豊かで天候も穏やかな山で王妃と共に隠居生活を送っていた。
ところが、隠居先の湖で王は若い頃に一目惚れをした少女と再会する。
少女は王が若い頃に見掛けた時と変わらない姿だった。
その時、王は美しい少女が国を守護する女神であることに気付いた。


