「叔父様、さっき、話を聞いた者は多かれ少なかれ命を狙われるって、言いましたよね?」
「ああ、言ったよ」
「それって……私のお父さんやお母さんもそうだったのですか……?」
姪の言葉に、マティウスは押し黙った。
机の上で組んでいた手を見つめるように目線を落とす。
「……そう、その通りだよ。リフィーアにも、公にも事故死と言っているが、事故死ではない」
悲しげに眉を寄せて、マティウスは続けた。
「――殺されたんだよ。物語の『白い悪魔』になれなかったモノに。今まで、黙っていて、すまない。リフィーア」
頭を下げる叔父の言葉に、リフィーアは大きく目を見開いた。父親譲りの緑色の目が揺れる。
「……どうして、ですか……。どうして……」
衝撃が強くて、聞きたいのにその言葉が出てこない。
泣き出したい衝動を堪えていることもあり、口の中が苦い。
今、泣く訳にはいかなかった。
まだ、理由を聞いていない。泣くのは後でも出来る。
先に理由を聞いてからだ。
リフィーアは一度唾を飲み込み、強い眼差しで対面の叔父を見つめた。


