「息子は確かにいますが、私よりかなり年上の息子は持った覚えはありません」
「あはは……。その言葉、リゼル君にも言われたなぁ」
立ち上がるマティウスと共にカイも立ち上がり、笑顔で見送る。
もう一度、簡単な挨拶を交わした後、墓地から出ようとしたマティウスはカイの方に振り返ってこう言った。
「カエティス様。絶対、無茶はしないで下さい」
「うん、分かったよ。無茶はしないよ。そういうところはリフィーアちゃんに似てるなぁ」
マティウスの一言に頷き、カイは手を振った。
カイの言葉に少し安堵したマティウスは小さく会釈をして、墓地と都を隔てる門を抜けた。
墓地を後にするマティウスを見送り、カイも自分の小屋に入った。
「ネリーもエマイユちゃんと街の……じゃなかった、カエティスの都のお店に買い物に行ったし、ビアンは何処かに行ったし、うーん……何をしようかな」
両腕を組み、カイは悩んだ。
「……あのー、叔父様、お話って何ですか?」
叔父の書斎でリフィーアは不思議そうに首を傾げた。
突然、「大事な話がある」と呼ばれて、リフィーアは屋敷に来たのだが、叔父は肝心の話を切り出そうとはせず、ただじっと姪を見つめていた。
(何だか物凄く居たたまれないよ……)


