公爵の娘と墓守りの青年


「はい。そうですね。そろそろお暇させて頂きます。あの、ところで私、言いましたか? ウェルシール陛下達、と」

マティウスの問いに、カイは首を左右に振った。

「言ってないよ。でも、普通は王様が一人で公爵家に行かないし、周りが行かせないよ」

「確かに、そうですね」

「ウェル君がここに来た時にウェル君の家臣達にも会ったんだよ。あ、そうそう。ウェル君の家臣に一人だけ、五百年前の事情を詳しく知ってる子がいるから、マティウス君が話す時にその子もきっと助け船を渡すはずだよ」

穏やかに微笑し、カイは告げた。

「その言い方からすると、誰なのかは教えて頂けそうにないですね……。分かりました。ウェルシール陛下もそろそろ着く頃でしょうから、これで失礼します」

「誰なのかはすぐ分かるよ。それじゃあ、気を付けてね。またおいで」

「はい。またお邪魔します。それまで、くれぐれも無茶はしないで下さいよ。食事もちゃんとして下さいよ」

「マティウス君、何だかお母さんみたいだね。分かってるよ、無理はしないよ」

苦笑しながらカイは頷いた。