公爵の娘と墓守りの青年


「そういう問題ではありません。兄上も言っていたではありませんか。食べないと、何かあった時に戦えないと」

「……食べなくても俺は平気な身体だし、戦の時は何日も食べずに戦うこともあるから慣れてるよ」

自分の言葉に嫌そうな表情を浮かべ、カイはそっぽを向く。

「――とにかく。俺は大丈夫だから、リフィーアちゃんの心配をしようね。昨日襲われたばかりだから」

「リフィーアが襲われたのですか?!」

目を見開き、マティウスはカイの方へ身を乗り出す。
気圧されながらも、カイは頷いた。動きが何処となく重い。

「う、うん。墓地を抑えようようとした連中に出くわしてしまってね。間に合ったから、リフィーアちゃんには怪我はなかったけど……」

重い溜め息を洩らし、カイは地面に置いていたシャベルを木に立て掛ける。

「……そうですか……。リフィーアにはここにあまり近付かないように伝えておきます」

「……無理そうな気もするけど、しばらくはそうしてもらいたいな」

苦笑いを浮かべ、カイは続けた。

「さて、話も大体終わったね。マティウス君。そろそろ、戻った方がいいよ。ウェル君達に会うんでしょ?」