公爵の娘と墓守りの青年


目を丸くしてマティウスは言った。
マティウスの言葉に、カイは頷く。

「まぁ、まだこの墓地に何も起きてないから、大丈夫だよ。俺も一緒にいたし。それと、ちょっと聞きたいんだけど、ウェル君とリフィーアちゃんの婚約を賛成した貴族は誰だい?」

カイのその問い掛けを待っていたかのように、マティウスは笑った。

「ウェルシール陛下の従兄のトイウォース様です」

答えを聞いたカイは苦い表情を浮かべる。

「……そうか……。あぁ、もう参ったなぁ……。予想していた時期とちょっとずつずれてきてるよ」

長く溜め息を吐き、カイは困ったように空を見上げた。
その様子をマティウスは静かに見つめる。
しばらくカイとマティウスの間に沈黙が降りる。

「……嘆いてもしょうがないか。分かったよ、マティウス君。墓地のことはもちろん、ウェル君のこともリフィーアちゃんのことも俺がどうにかするよ。ただ、二人には俺の正体はまだ言わないで欲しいな。いつか話さないといけないのは分かってるんだけど、一度に話すと混乱するだろうから」

穏やかに微笑み、カイは言った。

「分かりました。私に、何か出来ることはありますか? カエティス様」