公爵の娘と墓守りの青年


にこやかに微笑み、リフィーアはウェルシールを見た。

「規模って、そんなに違いはないですよ、リフィーアさん。職業が違うだけで、中身は同じ……いえ、むしろ王以外の職業の方が大事です。王が変わっても、いなくても、人は生きていける。でも、人がしている職業がなくなると機能しなくなる。王なんて飾りのようなものですよ」

「そう、ですか? 私は、飾りとは思えないですけど……。王様もとても重要だと思いますよ。王様は一人で国や人々を守ってるんですよ。凄いではないですか」

「ありがとうございます。そう言われると……何だか照れますね」

明るく微笑むリフィーアにつられて、ウェルシールも笑った。

「あ、そろそろ行かないと……。あの、リフィーアさん。今日はありがとうございました。カイさんに会ったら、また明日行きますとお伝え下さい」

「はい。分かりました、ウェルシール陛下」

「それと、また宜しかったら、お話して頂けませんか?」

ウェルシールの言葉に、リフィーアは理解するのに時間が掛かり、何度も目を瞬かせる。

「え……あ、はい。喜んで」

リフィーアが頷くと、ウェルシールは安堵の息を洩らした。