明るく笑い、エマイユはカイに言う。
隣でイストも頷き、口を開いた。

「そうですよ、隊長。俺なんて、ミシェイルが嫌いだった貴族になってるんですよー? 今でも嫌いですけどね。それでも結構、楽しいですし、記憶があるおかげでこうして隊長やネレヴェーユ様にお会い出来たんですから」

「え、ちょっと、イスト。私は無視かい」

エマイユの呟きにネレヴェーユが吹いた。

「あ、いえ。この場合、貴女も俺と同じでしょう? だから、入れてなかっただけです、が……」

忘れて入れていなかった訳ではないのだが、エマイユを入れなかったイストはどう言えばいいのか困り果てた。

「ありがとう。前世に囚われているんじゃないかと心配だったけど、安心したよ」

穏やかに微笑み、カイは言った。
その優しい微笑みにエマイユ達は魅せられた。

「さて。夕暮れ時だし、小屋に入ろうか」

尚も微笑み、カイは空を見上げて言った。

「そうだね。あ、カイ、今日のご飯はー?」

「現地調達が基本だよ。俺、ここから離れられないし」

エマイユの言葉に、にっこりと笑ってカイは告げた。

「えぇー……現地調達って、野生な場所じゃないんだから、もう少し文化的なさ、やり方ってないの?」