公爵の娘と墓守りの青年


にっこりと微笑み、エマイユはカイの肩を強く叩いた。

「もう一度、機会をあげるから、言ってごらん?」

「うん、いいよ。トーイはネリーや国の人達には優しいけど、俺やミシェイルにはひどかったよ」

エマイユににっこりと微笑み返し、カイは分かりやすく言った。
横で両手を口に当て、ネレヴェーユが笑いを堪えている。

「……カイ。君、やっぱり腹」

「カーエティース隊長ー! こんにち……わあぁーっ!」

エマイユの言葉に覆い被さるように灰褐色の髪をした青年がやって来た。何かに気付いたのか途中で叫び声に変わる。

「ん? やぁ、イスト君。いらっしゃい」

「ああああのっ! 俺、まずかったです、か……?」

何かに怯えながら、イストはカイに尋ねた。

「ん? 何もまずくないよ。大丈夫だよ」

何に怯えているのか気付いたのか、穏やかに微笑み、カイはイストに答えた。

「そ、そうですか……? でも、そちらのお嬢さんが……」

ぽつりぽつりと呟くように言い、イストは上目遣いにカイを見た。

「エマイユちゃん? エマイユちゃんは大丈夫だよ。俺がカエティスって知ってるしね。それに、彼女はトーイの生まれ変わりだよ」