静かな戦いが始まったのか、宿敵と目を逸らすことなくカイは告げた。
「え、達? リフィーアちゃん以外にいるの?」
「うん。トーイの子孫のウェルシール君」
尚も宿敵と睨み合いながら、カイは答える。
そんなカイを見て、ネレヴェーユは苦笑する。
「ええっ?! 私の子孫? というか、君、いつ会ったの?」
声を上げるエマイユに驚いたのか、カイの宿敵は木の枝から飛び立った。
「エマイユちゃんじゃなくて、トーイの子孫だよ。君はエマイユちゃんでしょ。トーイの子孫のウェル君とは初めて会ったのは七年前なんだけど、最近、また来てくれたんだよ」
「トーイの子孫ということはその人は王子なの?」
「違うよ。最近、王様になったばかりで、もうすぐ戴冠式らしいよ」
エマイユの声に驚いて飛び立っていった宿敵の後ろ姿を勝ち誇ったように笑みを浮かべながら、ネレヴェーユの問いにカイは首を振った。
「トーイの子孫はちゃんと王様をしているのね。どんな王様なのか見てみたいわ」
「とても良い子だよ。トーイと違って」
「おい、こら。ちょっとカイさんよ、最後の一言は聞き捨てならないなぁー」


