「私は女神ですけど、全てを知っているわけではありません。全てを知っているのはこの世界を作った私の父だけです。だから、エマイユさん。そんなに落ち込まないで下さい」
落ち着かせるように微笑みを見せ、ネレヴェーユはエマイユに言った。
「……そう、ですよね。でも、先に知っていればこれからのことをもっと考えられたのに……」
「今から考えれば大丈夫です。まだ何も起きていません。今からでも遅くはないはずです。ねぇ、カエティス」
にっこり微笑み、ネレヴェーユはカイに顔を向けて聞く。
「へ? う、うん。そうだね」
まさか自分に振ってくるとは思っていなかったカイは目を丸くした。
「そうですよね、ネレヴェーユ様。今なら大丈夫ですよね。じゃあ、カエ……じゃなかった。カイ。君にもう一度聞くけど、君はこれからどうするつもり? あ、誤魔化し一切なしね」
「……誤魔化しって、別に誤魔化してるつもりはないんだけどなぁ」
頬を掻き、カイは目線を上に動かす。木の枝に宿敵が留まっている。
その宿敵と目が合い、カイはじっと見つめる。
「これから、何事もなければ良いのだけれど、もし、何かが起こったら、その時にその当事者達には話をしようとは思っているよ」


