公爵の娘と墓守りの青年


「……カエティス。君、本当に暢気だね。あいつ、また出てくるかもしれないっていうのに」

「……それは、うん。有り得るなって思ってるんだけど、もっと困ったことがあるんだよね。ね、ネリー」

静かに聞いていたネレヴェーユにカイは顔を向けた。
向けられたネレヴェーユは顔を真っ赤にした。
真面目な話に不謹慎だが、カイに名前を呼ばれて嬉しくてついつい顔が緩んでしまう。

「……あの、困ったことってもしかして、リフィーアさん……?」

何とか顔の緩みを戻し、ネレヴェーユはカイに思い当たることを聞いてみた。
恋人の問いにカイは無言で頷く。

「えっ、あの娘に何か問題があるの?」

「うーん、本人じゃなくて、家にちょっと……」

頬を掻き、カイは言い淀んだ。
それを無言でエマイユが続きを待つ。

「……リフィーアちゃんの家はウィンベルク公爵家なんだよ。ついでに言うと、彼女は直系なんだ」

視線に気付き、カイは仕方なさそうに答えた。

「……ちょっと、カエティス。君、何で今の今まで黙ってたの? というか、本人はもちろん、君にも墓地にもまずいじゃん!」

今まで黙っていたカイに目を向け、エマイユは頭を抱えた。