公爵の娘と墓守りの青年


「君にもしものことがあったら、この国は滅ぶ。例え、ネレヴェーユ様がいらっしゃっても、今の国王が良き王でもこの国は滅ぶよ」

目を逸らさず、ひたすらカイを見つめ、エマイユは言った。
カイの隣で静かに頷くネレヴェーユの気配がする。

「……すごい物言いだね。俺はそんなにすごくはないのに」

水色の右目に手を当て、カイは苦笑いを浮かべる。

「君の場合は自覚が無さすぎなの。とにかく、魔力は絶対使わないでよね」

「……分かった。気を付けるよ」

右目から手を放し、カイは頷いた。

「さて。君の魔力のことは終わったけど、まだ話があるんだよね」

「え、まだあるの? お説教……」

苦い顔をして、カイはぼやいた。
その言葉に、ネレヴェーユが笑う。

「あのね……。何で私が君にお説教をしないといけないの。するのは、君の恋人のネレヴェーユ様でしょ。私が今からする話は大事な話だよ」

「そうなんだ。良かった……。それで、話というのは何だい?」

ほっと胸を撫で下ろし、カイは真面目な表情にする。

「うん、これからのことなんだけど、ネレヴェーユ様も聞いて頂けませんか?」

真剣な面持ちでエマイユはネレヴェーユに顔を向ける。