「……あの、カイさん。私なら本当に大丈夫ですから、ネリーさんの傍にいてあげて下さい」
周囲を警戒して歩く墓守りに、リフィーアは恐る恐る言った。
「だーめ。またあんな目にあうかもしれないから、ちゃんと送るよ。またひどい目にあったら、リゼル君とフィオナちゃんに怒られる」
「確かにそうですけど、ネリーさんも危ない目にあうかもしれないですよ?」
「ネリーなら大丈夫だよ。ビアンが近くにいるし。エマイユちゃんも大丈夫。あの子は勘が良いし、何気に強いしね。でも、リフィーアちゃんは帰り道に一緒に帰る人がいないでしょ。だから、駄目だよ」
頑なに断るカイに、リフィーアは困った。
「……それに、嫌なんだよ。リフィーアちゃんがリゼル君とフィオナちゃんみたいに突然、俺の前からいなくなってしまうかもしれないと思うと……」
ぽつりとカイが呟いた。
普段と違い、小さく消えそうな声で呟くカイに、リフィーアは弾かれるように彼の顔を見上げた。
悲しげな表情を浮かべ、眉を下げているカイを見て、リフィーアは立ち尽くした。
(……私は、お父さんとお母さんの顔は肖像画でしか知らないけど、カイさんはお父さん達と話してる。もしかしたら、私以上に悲しかったのかな……)
そう思うと、申し訳なくなってきた。
心配かけたくない、と強く思った。


