公爵の娘と墓守りの青年


「そうですか? トーイからしたら、そうではありませんでしたけど」

穏やかに笑ってエマイユは答えた。

「貴女をカエティスと共に見守っていましたけど、貴女はずっと必死にこの国を守ろうとしていた。そんなネレヴェーユ様をカエティスは惚れたんだと思いますよ」

「そ、そうなのでしょうか……?」

顔を真っ赤にして、ネレヴェーユはエマイユを見つめた。

「本人に聞いてないんですけど、きっとそうだと思いますよ。あまり自分の過去のことや本心を言わないヤツですけど」

苦笑して、エマイユは頬を掻いた。
ネレヴェーユも微笑み、エマイユに頷いた。

「そうですね。私もいつもカエティスに振り回されっ放しです」

エマイユの言葉に頷くが、ネレヴェーユの表情はとても嬉しそうだ。

「ですよねー。私も生まれ変わって、初めて会いに行った時もあいつ、笑顔で誤魔化そうとしたんですよ。腹黒ですよ、カエティスは」

腕を組んで、エマイユはカイの恋人に愚痴をこぼす。

「腹黒……ですか」

どう答えていいのか分からず、ネレヴェーユはそれだけしか言えなかった。

(恋人として、ちゃんと否定した方が良かったのかしら……)

ネレヴェーユは困ったように首を傾げた。