公爵の娘と墓守りの青年


「そうなのですよ、ネレヴェーユ様」

明るい花が咲いたような笑みを見せ、エマイユは頷いた。

「……トーイが女の子に生まれ変わってるのは意外でした。生まれ変わったとしても男性だと思ってましたもの」

「カイにも言われましたね。だから、私との会話がやりにくいらしいですよ」

ニヤニヤと笑いながら、エマイユはカイを指でまた突いた。

「本当だよ……。女の子だから突かれても、殴れないし」

巻き終わった包帯を小さな木箱に戻しながら、カイはぼそりと呟いた。

「え、ちょっとカイさんよ。私が男の子だったら殴るつもりだったの?」

「うん。男の子が突いてきたらね」

「王様の生まれ変わりでも?」

「もちろん。トーイの時でもやってたでしょ、容赦なく」

にんまりと笑い、カイは大きく頷いた。
隣で何かを思い出したのか、ネレヴェーユが小さく笑った。

「…………」

エマイユも何かを思い出したのか、少しだけ顔を青くした。

「……良かった。今回、女の子で」

安堵の息を洩らし、エマイユは胸を撫で下ろした。

「カイさんっ!」

背後から別の女の子の声が聞こえ、カイは振り返った。