「というのは冗談だけれど、ここを抑えようと考えてる人がいるの?」
「……冗談だったんだ」
小さく息を吐き、カイはもう一度がっくりとうな垂れた。
そして、すぐ表情を戻し、ネレヴェーユの問いに頷いた。
「ここを抑えようとする人は今までもいたよ。何を聞いて、そう思ったのかは知らないけど」
「貴方がいるのに?」
「俺? 俺はただの墓守りだよ」
右手を左右に振り、カイは苦笑した。
「何を言ってるの。クウェール王国で最強の守護騎士と言われてる貴方よ? 私なら抑えようとは思わないわ」
「いやいや、あれはトーイと当時のウィンベルク公爵が勝手に吹聴しただけで、俺は強くないからね」
「あら、私は貴方が一番強いと思ってるわ。だって、あの時、私やトーイ、ミシェイル達を守りながら戦ってたのよ? 他の人達は無理だったのに、あの人を倒したし」
「いきなり話が飛躍し過ぎだよ、ネリー……」
困ったようにカイは頬を掻いた。
「そんなことないわ。だって、相手は貴方の本当の姿やこの墓地のことを知らないで、ここを抑えようとしているのよ。私としてはちゃんと調べてから抑えに来て欲しいわ」
「――ちゃんと調べられたら、国が大変なことになると思うな、私」


