ふと、スマホを見ると、もう17時だった。
「そろそろバイトか」
それまで出していた、勉強の参考書や、ノートを片付ける。
俺は学校にこそ行っていないが、アルバイトは母さんに進められ、していた。
どうせなら、自分が楽しめそうなバイトを探そうと、学校を休んでいる時もスマホで求人の情報を見ていた気がする。
「さてと、そろそろ出るか」
そんなことを考えている間に、着々とバイトへ行く準備はできていた。
「行ってきます」
少し小さな声で言ってしまったが聞こえていただろうか。
「行ってらっしゃーい」
そんな心配は杞憂にすぎなかったようだ。声もいつもの調子に戻っていた。
「でも、朝泣かせたのは俺のせいなんだよな……」
