スマホから、昨日、夜のうちにセットしていたアラームの音楽が聞こえて起きる。


「今、何時だ?」


アラームを止めると共に、スマホに表示されている時間を見る。


「8時10分……」


それと同時に、見たくなかったのに、必然的に見えてしまった日付を見て呟く。


「……今日は命日か」


3年間ずっと目をそらし続けていた、事実。目の前に突き付けられ、あの時のことを思い出す。


そう、あの日、あの時、俺の友達であった美乃梨は…


その時、ガチャっと音を立てて、母さんが部屋に入ってきた。


「真人、今日は学校行けそう?」


「うわっ!?」


急に話し掛けられ、情けない叫び声をあげてしまう。


「あんた、大丈夫?」


「大丈夫。話し掛けられて驚いただけ」


美乃梨のことを思い出して、母さんに余計な心配を掛けてしまった。3年前に、もう考えないと決めたのに。