「悠真たち、いないね」

 陸くんも気がついて、ふたりできょろきょろと辺りを見回す。

 もう告白しようとしているのかな?

 ふたりが仲良くしている姿を想像したら心がズキズキしてきた。

 しんどい。

「結愛ちゃん、どうしたの? 大丈夫?」

「うん。大丈夫……」

 大丈夫って言ったけれど、勝手に涙が溢れてくる。

 まだ桃音ちゃんは悠真に告白をしてなくて、もしかしたら告白しないかもしれないのに。

 想像しただけでこんな気持ちになるなんて。

「海、怖かった? とりあえず、上がろう?」

 ゆっくり、ゆっくり陸くんが浮き輪の紐を引っ張ってくれて、戻っていく。

 砂浜にたどり着く。
 どうしよう、涙が止まらない。

「ごめんね、結愛ちゃん。海に慣れていないのに、いきなりすぎたかな? 本当にごめん。泣かないで?」

 陸くんも目がウルっとしている。
 それから、私を優しく抱きしめてきた。

「あのね、違うの。陸くんは悪くないの」

 どうしようもない気持ちになっちゃって、悠真と桃音ちゃんが仲良くしている姿を想像していたら涙が出てきたってことを素直に話した。