すべての世界で、キミのことが好き❤~告白相手を間違えた理由

 電車に乗る。

 四人向かい合わせで座っている。悠真が先に座り、私を隣に誘導してきて、私と悠真、陸くんと桃音ちゃんがそれぞれ隣同士で座ることになった。

 気まずい。

 最初は気まずかったけれど、やがて窓側の桃音ちゃんが外の風景を眺めながらテンションが高くなる。

 悠真も機嫌が良くなり、窓を眺めている。私はほっとした。

 こっそり、目の前の席に座る陸くんを見ると目があい、微笑みあった。

 陸くんのおばあちゃんの家までは一時間ぐらいで着く。

 ほっとしてから電車の空気を感じた。電車の中はすんとした香りがする。それからしばらくして海が見えてくると、初めて見る海にテンションがあがり、ワクワクしてきた。

 晴れている空の青色が海に反射していて、綺麗な色。どこまでも続く水平線。そして、太陽の光でキラキラが揺れている。今すぐにこの景色を描きたいほどに美しい。

 ――後から水彩画の絵を描きたいな!

 この景色を後から写真を参考にしながら描こうと考えて、座りながらスマートフォンで外の景色の写真を撮った。悠真の後ろ姿も景色の端にこっそり添えた。