あっという間に、私たちは高校二年生に。
 そして夏になった。

 悠真と私は別の高校に通っている。
 けれども今日私は、とある理由で悠真の通っている高校へ!

 その理由とは、今から悠真と陸くんが出るサッカーの試合があって、応援するため。ふたりは同じ高校に通っていて、今日は強い高校のチームと対戦するらしい。相変わらず部活を頑張っている。


 陸くんに告白しようとしたあの日、間違えて悠真に告白したのは、悠真が未来の悠真とメールのやりとりをしていたからで――。

 もしも、そのやりとりがなくて、私が陸くんに告白して、陸くんと付き合っていたらどうなっていたんだろう?って、今もたまに考える。

 例えば、悠真とケンカしちゃった時だとか。
 陸くんに告白した人生の方が上手くいって、幸せになれたのかな?とか一瞬考えちゃう。

 でも仲直りして隣に悠真がいると、この選択が一番なんだなって実感する。

 あと今、ふと考えた。

 未来からのメールの影響で私たちの人生が変わり、本来 “ 幸せになる予定 ” だった人がなれなかったり、そのせいで誰か傷ついたりしたんじゃないかって。

 そう、今、目の前にいる、悠真のことが大好きだった桃音ちゃんとか。ちなみに、桃音ちゃんと私も別の高校に通っているけれども今もとても仲良し! 最近、一緒にケーキ屋さんのバイトも始めたし。

「結愛! 早く! 試合始まっちゃうよー」

 前を歩いていた桃音ちゃん。
 彼女は私を待つために立ち止まり、振り返って叫んだ。

「待って!」

 桃音ちゃんに向かって、走る。
 
 でも考えるだけで、私がどうにか出来るわけではない。
 今は自分のことでいっぱいいっぱい。

 生きられる時間は限られているから、やりたくて出来そうなことはやって、伝えたいことはきちんと伝えたい相手に伝えて、あとは、目の前のことを、精一杯大切にしたい。


 そして、私が今やりたいことは、サッカーの試合に出る悠真と陸くんを、声を枯らしても良いから、全力で応援すること!

「がんばれ!」