恋人と過ごす一大イベント“クリスマス” 。
 結愛によろこんでもらいたくて、必死だったな……。

 十二月に入る前からずっと、結愛のクリスマスプレゼントについて悩んでいた。
 
 どんなものが好みなのかな?

 まずは、普段の彼女を観察してみることにした。
 彼女は花柄のペンとかの文房具を使っていた。

 こっそり結愛のSNSのアカウントも覗いた。
 彼女はよくピンク色やキラキラしたものを綺麗な風景と一緒に載せたりもしていた。

 ちなみに結愛のSNSアカウントは結構前から知っていた。彼女をかばったコメントを書いた時、マロンをプロフィール写真にしている本人からいいねが来ていたから。

 その時はそれが俺のアカウントだってことは、結愛はまだ気がついていなかったけれど。

 結愛も結愛のSNSの世界も、キラキラしていて可愛いかった。

 キラキラ?
 キラキラ……。
 キラキラ!

 過去に見た風景が思い浮かんだ。

 父さんは俺が幼い頃、母さんと離婚して家を出ていった。まだ家にいた頃、あちこち連れていってくれてた。その中で俺が大好きだと感じた場所。

 結愛にも見て欲しい!って思いながら眺めていた景色。

 そうだ、あそこだ!
 一緒に行きたい!
 そう思った。