ケーキは大切に、ゆっくりと食べた。
 食べ終わってすぐに悠真は言った。

「結愛、写真撮っていい? 星空と結愛の全体写真!」

 私が答える前に悠真は離れていき、遠くから私と星空いっぱい写るような距離でスマートフォンで、写真を撮った。

「これ、未来の俺に送ってあげよっと」
「何を言っているの? 未来の悠真?」
「うん。実はね……」

 悠真が、未来の悠真と一年生の冬頃からメールをしていたことを教えてくれた。

 内容も全部。

「不思議すぎるね!」
「だろ? 最初、いたずらかなって疑っていたもん」
「それは、疑うよね」

 私はすぐにその話を信じた。

 悠真が変わってきた時期と、メールの内容の話がピッタリ重なり合ったから。

 そして、私が陸くんと間違えて悠真に告白をした話。それもメールがきっかけだったんだ。ずっと不思議だと思っていたけれど、やっと謎が解けた。

 もしも、その未来からのメールがなかったら、私たちはどうなっていたんだろう。

 隣には誰がいるのかな?
 誰もいない?

 話によると、未来の自分たちは一緒にいないらしくて――。
 
 直接私は関わったことはないけれど、その話を聞いただけで心が痛くなる。私と悠真が一緒にいない未来。そんなの、考えられない。

 届くわけないけれど、私も交流してみたいと思い、未来の私に届け!と願いながら、自分のメールアドレスに送信してみた。

『初めまして! 過去の結愛です。今あなたは、何をしていますか? 横には誰がいますか? 私は今、幸せです!』

 送ったメールはそのまま自分のところに戻って来た。

「私も未来の私に送ってみたけれど、戻ってきたよ」
「でも、届いたかもよ?」
「ねっ! 届いていたら良いな!」