明日、世界が終わるとしたら

「え? それはみんなでですよね」

「何言ってるんですか。ふたりきりですよ」

「いやいや。ふたりきりとかダメでしょ」

「なんでダメなんですか?」

「だって……。彼女、いませんでした?」

私の言葉に、彼は渋い顔をした。

「いつの情報ですか、それ。ずいぶん前に別れてからフリーですよ」

その言葉に私の心がトクン、と音を立てた。

もし、本当に明日、世界が終わったとしたら、私は絶対後悔する。

このチャンスを逃してなるものか。





「あの。僕、結構勇気出して誘ったんですけど。食事一緒に行ってくれますか?」

少しだけ弱気な声を出す彼に、私はとびっきりの笑顔を向けた。

「明日、世界が終わるとしたら、私はその食事の後にあなたに告白します」

私の告白に、彼はあっけにとられた顔をしたあと、私が一番お気に入りの大きな口を開けて笑い出した。

「何ですか、その予告」





明日、世界が終わらなかったら、生徒に伝えよう。

いつどうなるかわからないからこそ、一日一日を大事に過ごしていこうね。

後悔のない日々を送ろうね、と。