「先生。明日、世界が終わるって聞いたら、何しますか?」

受け持ちのクラスのホームルームが終わる頃、ひとりの生徒がふと立ち上がってポツリ、と発言した。

「どうしたの、急に?」

「何か、目まぐるしく変わる世界を見てたら、なんかふと考えちゃって」

彼らは今中学二年生。色々と考える時期だしなあと思いを馳せ、私はひとつの提案をした。

「じゃあ、何がしたいか言葉にしてみる?」





その日の放課後。

私は職員室でひとり、生徒が書いた『明日、世界が終わるとしたら』やりたいことをじっくりと読んでいた。

強制ではなく、書きたいなと思ったら書いて渡してほしい、と言ったのに、結果全員の生徒が何かしら書き記して提出してくれていた。