私の名前は時乃彩音。
今年で13になる。
そんな私が向かっているのは、『同居チャレンジ』の会場。
会場付近までやってくると歩いている人は見つからなくなった。
ただ一人だけ、道路の真ん中にポツンと黒い人影が立っていた。
…なに?あれ…
少し声をかけてみることにした。太陽がギラギラな夏の日なので熱中症…なわけ無いか…
「あ‥あの…」
彩音は声をかけたが、その黒い影は返事をしない。
遠くだったから、聞こえなかったのかもしれない。
あれ?近くに行ってみるか。
彩音は近くによって声をかけた。
「あの!だっだいじょぶですか?」
あぁ…失敗した…知らない人から大丈夫?とか聞かれて引くに決まってるよね…
すると人影は顔を上げ、パーカーのフードを脱ぎながら言った。
「あ?何お前。話しかけんな、」
「うぃ!?」
や、やってしまった…完全に警戒されてる…あ、でも声からして男の子だった‥
ふと時計を見ると正午を回っていた。
はっ!?急がなきゃ!会場は十分で閉まるんだった!