私は眩しくて目を閉じた。
目を閉じていても眩しいので首だけ後ろを向く。
背後に気配を感じた。
恐ろしい気配。あまりいいものな気はしなかった。夏なのに、寒気がする。寒いのに汗が出てきて、気分がいいとは言えない。
恐ろしいのに、何故か見たくなった。見たくて仕方がいない。まるで魔法をかけられているみたいに、後ろに何がいるのか、気になって仕方がない。
私はそーっと目を開け、後ろに向いている顔を前に向ける。
そこには想像していたような恐ろしいものはいなかった。
本当に恐ろしくないのかはしらないけど、恐ろしい見た目はしていない。
きれいな人。あれだけ眩しく光りながら登場しただけあって、その人は、最近人気の読者モデルとは比べ物にもならないほど美しかった。整った顔に、真っ白な肌。瞳はきれいだけど、光がない。どこを見ているのかわからない、透明な透き通った瞳。その瞳は、どこか不気味だった。