イノセント*ハレーション

パンッと放たれた矢が胸のど真ん中に突き刺さった。

じわじわと痛みが広がり、全身を駆け巡る。

答えようにも答えられない。

明確な答えなどない。

これは今のあたしにとって1番の難題なのだから。


「何でそうなるの?」


でも、黙っては負け。

湧水くんの思う壺。

あたしがそんなに従順じゃないこと知っておいてもらわないと、この先仲良くやっていけそうにない。

あたしは質問に質問で返すことしか出来なかったというのに、湧水くんは余裕の表情で口を動かす。


「凪夏ちゃんの自然体がその格好でその口調なら、それを1番に向けているのが澪夜だから。ありのままの凪夏ちゃんをさらけ出してそれを受け入れてくれる相手って自然と好きになると思うんだよ。...違う?」


ありのままでいられる相手イコール相性が良いとか、あたしにはそういう結びつけ方は出来ない。

弓木澪夜とは

もっとこう...

なんか、言葉には出来ない、

いや、言葉に表して分かってもらうには勿体ないくらい、

良い関係が築けてる。

そんな気がする...。


あたしはぐちゃぐちゃの思考のまま口を開いた。


「...好きとか嫌いとか、そんなんじゃ語れない。あたしと弓木澪夜は...互いに信頼し合って何でも言い合える仲。不思議とそういう仲になった」


あたしの言葉に彼はまた笑みを浮かべた。


「ふふ。本当に凪夏ちゃんは面白い人だ。まぁ、とりあえず今日のところは男女の友情ってことで納得しておくよ。この先どうなるか楽しみだ」