イノセント*ハレーション

「絶対浴衣で参加ね!もちろん男子も」

「え~、おれ浴衣なんぞ持ってないんだけど」

「なら当日までに揃えておくこと」

「金ねぇーよー」

「働かざる者着るべからず。単発のバイトでもして金を稼げいっ!ちなみに日葵はムーンライトシティの夏休み特設会場のおもちゃ売り場でレジやるよ~。良かったら来てみて」


バイトというワードを聞いて一気に現実に引き戻される。

明日は今日休んだ分を取り返すべく、8時から17時までバイトだということをあたしは思い出してしまった。

それに、帰ったら家事をこなして宿題を仕上げねばならない。

あぁ、今から気が重い...。

つり革を持つ右手の力が弱まり、足の踏ん張りも効かなくて一瞬ふらっとし、横にカクンっとなる。


「おっとっと...凪夏ちゃん大丈夫?」

「あぁ、うん」


朝登くんのナイスアシストで倒れずに済んだけど、もしかしたら自分が思ってる以上に疲れてるのかもしれない。

雪女には夏の暑さは大敵だと改めて痛感した。

花火大会でも気をつけないとな。

おばあちゃんに、"家にいる時は我慢しないでクーラーつけて。熱中症で倒れられる方が困るんだから"と散々言ってるくせに、自分が倒れたら元も子もない。