イノセント*ハレーション

連続のコースターは予定通り免れたけど、コーヒーカップはまた別の意味で苦行だった。

日葵に永遠にぐるぐる回され、あたしはまたもやすぐに立ち上がれなかった。

それにしても、日葵と鶴乃さんは強い。

遠心力に耐えられる特別な訓練でもしているのだろうかと不思議に思わずにはいられなかった。

それからは、メリーゴーランドや高いところをぐるぐる回るだけのアトラクションに乗ったり、サイクリングをしたり、ありとあらゆるアトラクションに乗った。

そして、あっという間に時は過ぎ、お昼のピークを越えた14時にランチタイムにすることになった。

遂にあたしの荷物を取りに行く時がやって来た。


「皆ごめん。あたしロッカーに預けてた荷物取ってくる」

「今?」


鶴乃さんが謎を抱えた探偵ばりに首をかしげる。

本当はサプライズにするつもりだったのだけれど、仕方がない。

今言おう。


「実は今朝おばあちゃんと一緒にお握りとちょっとしたおかず作ったんだ。だから皆で一緒にどうかなって思って...」

「えー!すごーい!な~ちゃんサイコー!ありがとありがと~っ!」


真夏の昼時という1番暑い時間帯だというのに、容赦なく日葵は抱きついてくる。

体温が5度くらい上がったような気がする。

早く冷却しないと熱中症になってしまいそう。

あたしは絡み付いた日葵の腕をほどいた。


「ってことで、行ってきます」

「凪夏ちゃん、ありがとう。私達はお弁当広げられそうなところ見つけておくね。場所取りしたら1人またここに戻ってくるようにするから、凪夏ちゃんは安心してここに戻ってきて」

「うん、分かった」