イノセント*ハレーション

そうこうしているうちにようやく今後の方針が決まったらしい。


「ひとまずジェットコースターに行ってその後コーヒーカップに行くことなりましたぁ!お騒がせしました~。お騒がせのお詫びに、皆にポッキー1本ずつプレゼントしまーす!」


日葵は通学用のよりもおしゃれだけど一回り大きいリュックをガサゴソとあさり、ポッキーを取り出した。

そして丁寧に1人1人に配給してくれる。


「はい、な~ちゃん」

「ありがとう」


チョコが溶けて頭頂部が剥げている。

長時間公衆に晒すのは可哀想だから、パクッと加えた。

ポキポキポキ...。

チョコが無くなると味気ない。

下から1センチくらい余白を残して残りを贅沢にチョココーティングしてもらいたい。

お客様サポートセンターに貴重な意見をお話ししようか。

なんて思ったけど、どうせただのクレーマーとして対応されそうなのでやめておく。


「皆はポッキーは細い派、太い派?ちなみに日葵は...太い派で~す!」

「日葵は昔から定番が好きだよね。まぁ、私もなんだけど」

「へぇ、つるのんも。奇遇だなぁ、おれも太い派なんだよな~。たまにアーモンド着いてるのとか食うけど」

「あ~それも美味しいよね~。日葵苺も食べたんだけど、やっぱりがっつりチョコ系が好きなんだよね~。で、お2人さんは?」


お2人さんというのは、傍観者のあたしと彼のこと。

ここで括られるのは、よくあること。

自分から話すのがどうも性じゃない人間達だから、話しかけられるまで黙ってることの方が多い。

どちらから先に日葵の質問に答えるか。

それが結構難題で...


「苺」

「細いの」


十中八九、同タイミングのアンチ回答。

ちなみに、あたしが苺と答えた。


「へ~、な~ちゃん苺好きなんだ!なんか意外!コーヒーとかブラックで飲みそうなのにぃ」

「コーヒーはブラックで飲む。だから、それに合うように甘いお菓子ってこと。でもポッキーは牛乳の方が合う」

「あ!苺ミルクだっ!」

「そ。そういうこと」

「おもしろ~い!今度牛乳に浸して飲んでみよ~っと」

「いやいや、飲めないでしょ」


鶴乃さんの絶妙なツッコミに一同が笑いに包まれる。

そんな中、細いポッキー好きの彼はやはりまだ寝ぼけ眼で、こちらが寝坊したのではないかと錯覚を起こす。