あたしはテーブルに額が付きそうになるくらいまで頭を下げた。


「ごめん。今年はちょっと用事があって...」

「凪夏ちゃん、そんなに謝らないで。単なるあたしの気まぐれだし。それなら、仕方ないよ」

「そうだよ、凪ちゃん」


皆は深くは追求せずに納得してくれたけど、あたし自身は納得なんてしていなかった。

皆との約束より自分のことを優先するほどあたしにとってあれはそんなに大きく大切なものだったのだろうか。

...なんて改まって自分自身に問わなくたって分かる。

2年前の自分と交わした約束みたいなもので、きっと今のあたしにとって大切なこと。

現実になってほしいって思いながら書いて、

でも読み返した時に幻となり消えてほしいと思った、

20×4年8月5日の出来事。

あたしの日記が嘘か真か、その判決が下るあたしにとっては一世一代の日なんだ。

だから、あたしは...行けない。

たった1人、その日を迎えるしかなかった。