イノセント*ハレーション

彼との記憶はそこで途切れた。

彼が病院に搬送され、手術を受け一命を取り留めたことは後から先生方との面談の時に聞かされた。

彼が絆奈のストーカーで、絆奈を守るために取った行動ということで、あたしは注意だけに留まった。

しかし、クラス中、いや学校中にあたしが彼を突き飛ばし、怪我を負わせ、転校にまで追いやったという噂...いや、真相が広まった。


いくら相手がストーカーだからってやりすぎ。

自分1人で何とか出来ないなら先生に相談しろって。

結局カッコつけたかっただけでしょ?

いつだって偽善者ぶりたいんだよ、あの子は。

魔性の女、雨谷凪夏。


散々なことを言われた。

けど、自業自得だってことは分かってた。

誰もあたしに直接言ってきたりはしなかった。

だけど、態度で分かった。

皆はあたしには冷たくし、絆奈には優しく接した。

あたしはそれを見ていて、自分がすべきことを悟った。

絆奈と離れる。

近くて遠い場所から見守る。

そうしていればいつかきっと、

きっとまた一緒に笑い合える日が来る。

そう信じて、あたしは絆奈と一定の距離を取ることを選んだ。