あたしが考えたのは"なりすまし作戦"だった。
バレンタイン当日、予想通りストーカーからの手紙が絆奈の下駄箱に入っていた。
その内容は、"渡したいものがあるので、放課後屋上へ続く階段の踊り場で待っています"。
あたしが絆奈に変装して代わりにそこに行き、ストーカーを捕らえるという作戦だった。
「凪ちゃん、本当に大丈夫?」
「大丈夫。絆奈はここで待ってて。絶対来ちゃダメだからね」
あたしは何度も絆奈に念押しし、図書室のカウンターの奥の司書の先生の部屋で待っててもらうことにした。
図書委員にも先生にも守られているから万が一のことがあっても大丈夫。
万が一のことがあるとするならば、あたしの方が確率としては高い。
あたしは護身用にソーイングセットの小型のハサミをブレザーのポケットに忍ばせ、予定より10分も早くから約束の場所に赴き、その時を待った。
ーートントントントン...。
階段を上ってくる音が聞こえてきて、あたしは跳ねる鼓動を必死に抑え込んだ。
あたしが守らなきゃ誰が守る?
何が何でもあたしが絆奈を守るんだ。
あの日誓ったことをあたしは一生忘れない。
だから、あたしは...
「絆奈ちゃん?」
その声に振り返った。
......やっぱり。
予想通りの顔がそこにあった。
誰に憧れたのか前髪は長くて左目が隠れているのに黒淵の眼鏡をかけていて、いかなる時も顔を覆うような大きめの黒いマスクをしている。
ゲームやアニメが好きで、ラブレターに毎回違う作品の感想を載せてくるくらいのガチ目のヲタク。
イマドキの言葉で言えば陰キャの彼の名は...
バレンタイン当日、予想通りストーカーからの手紙が絆奈の下駄箱に入っていた。
その内容は、"渡したいものがあるので、放課後屋上へ続く階段の踊り場で待っています"。
あたしが絆奈に変装して代わりにそこに行き、ストーカーを捕らえるという作戦だった。
「凪ちゃん、本当に大丈夫?」
「大丈夫。絆奈はここで待ってて。絶対来ちゃダメだからね」
あたしは何度も絆奈に念押しし、図書室のカウンターの奥の司書の先生の部屋で待っててもらうことにした。
図書委員にも先生にも守られているから万が一のことがあっても大丈夫。
万が一のことがあるとするならば、あたしの方が確率としては高い。
あたしは護身用にソーイングセットの小型のハサミをブレザーのポケットに忍ばせ、予定より10分も早くから約束の場所に赴き、その時を待った。
ーートントントントン...。
階段を上ってくる音が聞こえてきて、あたしは跳ねる鼓動を必死に抑え込んだ。
あたしが守らなきゃ誰が守る?
何が何でもあたしが絆奈を守るんだ。
あの日誓ったことをあたしは一生忘れない。
だから、あたしは...
「絆奈ちゃん?」
その声に振り返った。
......やっぱり。
予想通りの顔がそこにあった。
誰に憧れたのか前髪は長くて左目が隠れているのに黒淵の眼鏡をかけていて、いかなる時も顔を覆うような大きめの黒いマスクをしている。
ゲームやアニメが好きで、ラブレターに毎回違う作品の感想を載せてくるくらいのガチ目のヲタク。
イマドキの言葉で言えば陰キャの彼の名は...



