あたしと同じく本当なら2組に配属される予定だった子。
あたしとその子は授業でペアになって下さいと言われればなるけれど、それ以外では接点を持たず、各々1人の時間を過ごしていた。
しかし、ある時を境にあたしではなくその子にターゲットが移るとそうもしていられなくなった。
職員室のドアをノックするより先に、あたしがその子の心のドアをノックする必要があると思った。
その子は身の回りのものが失くなる度に泣き、机に落書きをされても黙って雑巾でゴシゴシ拭くような子だった。
土曜21時、祖母と一緒に高校生の学園モノのドラマを見るのが日課で、良く似たような描写があったから、真に受け続けたらどうなるかなんて簡単に分かった。
6月8日雨の降る放課後、ウサギ小屋のところで1人佇むその子にあたしは意を決して声を掛けた。
「白石さん?」
その子は眼鏡の奥からすがるような目でこちらを見つめていた。
あたしは母譲りのKYを発揮し、空色の傘をくるくる回しながらその子に近付いて行った。
「一緒に帰ろう」
「うん...」
その子...絆奈と初めて並んで歩いたのがその日だった。
あたしとその子は授業でペアになって下さいと言われればなるけれど、それ以外では接点を持たず、各々1人の時間を過ごしていた。
しかし、ある時を境にあたしではなくその子にターゲットが移るとそうもしていられなくなった。
職員室のドアをノックするより先に、あたしがその子の心のドアをノックする必要があると思った。
その子は身の回りのものが失くなる度に泣き、机に落書きをされても黙って雑巾でゴシゴシ拭くような子だった。
土曜21時、祖母と一緒に高校生の学園モノのドラマを見るのが日課で、良く似たような描写があったから、真に受け続けたらどうなるかなんて簡単に分かった。
6月8日雨の降る放課後、ウサギ小屋のところで1人佇むその子にあたしは意を決して声を掛けた。
「白石さん?」
その子は眼鏡の奥からすがるような目でこちらを見つめていた。
あたしは母譲りのKYを発揮し、空色の傘をくるくる回しながらその子に近付いて行った。
「一緒に帰ろう」
「うん...」
その子...絆奈と初めて並んで歩いたのがその日だった。



