イノセント*ハレーション

*過去*

あたしは昔からちょっと面倒で変わった子だった。

人見知りが激しく、公園に行っても母の後ろに隠れてばかりで同年代の子達と遊ぼうとしなかった。

保育園に通うようになっても、あたしは相変わらず1人で遊んでいた。

先生に皆と一緒に遊ぼうと言われても、あたしはガン無視して1人で積み木をやったり絵を描いたりして遊んでいた。

そんな感じだから、あたしは父親に心配されていた。

あたしの父は都庁の職員というお堅い職に就いていた。

習い事をさせたがる人で、塾、英会話教室、バレエ、ピアノ、スイミングなどありとあらゆるものをあたしに強いた。

しかし、どれも長続きはしなかった。

それは、どうやら母親譲りの飽き性のせいだったのだと思う。

母は思い立ったらその瞬間に行動に移す重度の行動的な人間だ。

仕事を辞めたいから辞めてきたと、夕飯の家族団欒の時に言う空気の読めない人でもある。

そんな2人が1度でも、死ぬまで一緒に居ようと思えたことがすごいと思う。

あたしは幼いながらも2人の不和には気づいていて、2人が顔を突き合わせれば喧嘩ばかりだから、2階の自分の部屋に籠り、耳栓代わりにティッシュを耳に詰めながら本を読んだり、勉強をするとかしてなんとか乗り切っていた。

でも、それも限界がやって来る。

あたしが小2の時、両親は離婚した。

テレビで見たことのあった紙が自分の両親が向き合うテーブルの上に乗っていて血の気がさーっと引いた瞬間のことは今でも忘れられない。

あたしはこんなことになるくらいなら人を好きになりたくないと思った。

大きくなっても、あたしは恋愛なんてしない。

8歳のあたしはそう誓った。

あたしは母と共に大きな2階建てのマイホームを去り、母方の祖母と共に団地に暮らすことになった。

つまり学校を転校して来た訳だけれど、コミュ障のあたしが馴染めるはずもなく、あたしはクラスで完全に孤立していた。

そして、そのまま小3のクラス替えを迎えた。

あたしの運命が動いたのは、その初夏のことだった。