イノセント*ハレーション

視界に映ったのは、上下白を貴重としたセーラー服に身を包んだポニーテールの少女と、減らず口を叩く彼だった。


ーーカタン...。


あたしの手からフライパンが抜け落ちた。

呆然とその姿を見つめるあたしに1歩2歩と彼女は近付いてくる。

あたしの異変に気がついたのか、皆が作業を止め、何事かとこちらを見つめる。

パタンパタンパタン...。

スリッパの音が消え、あたしの視界いっぱいにその姿が映し出される。

手も足も口も硬直して動かない。


.........あっ。



「凪ちゃん...」


身体に重みが加わって、触れ合ったところから彼女の呼吸を感じて、分かった。


「はん、な...」

「凪ちゃん......ずっと、会いたかった...」


絆奈はそう言って、その細い腕からは想像出来ないくらい強い力であたしを抱き締めた。

あたしは絆奈から感じる熱に安心して目を閉じた。

目を閉じても...溢れてくる。

想いが形になって現れる。

あたしの頬を生ぬるい雫が伝ったその時、

あたしの肩に冷たい雫がぽとりと落ちた。

じんわりとシャツに染みて広がっていくそれを愛しくも懐かしくも思った。

そして、自分に起こった奇跡を身に染みて感じていた。