イノセント*ハレーション

「.........は?」


心の声がモロに出た。

ってか、センターとは何?

急に来て意味不明なことを円らな瞳で悪気もなく言う風羽日葵という人間は、やはり大物だと感じた。

あたしが説明を待っていると、少しばかり落ち着きを取り戻したのか、日葵はあたしの肩から手を離した。


「あのね、実は...女子Aチームの絶対的センターの聖良ちゃんがチア部の発表の練習中に怪我しちゃって、それで...踊れなくなって。代わりを探してて、もしかしたらつるのんかな~ちゃんやってくれるかなぁって思ってきてみたの」

「いやでも、今いるメンバーでなんとか踊ればいいんじゃ?それか日葵達が代わりに2曲連続で踊るとか?」

「日葵達も出来ることはしたんだよ。でも、やっぱりAチームのあの曲は絶対的センターが必要だってことになったの。それを目的にカフェに来てくれてる人もいて...。このままじゃ、たくさんの人を裏切ることになっちゃうの!だから、お願い、な~ちゃん...」


裏切る、か...。


涙ぐむ日葵を見ていて、そんな残酷な言葉を聞かされてあたしがなんとも思わないわけがない。

これ以上日葵を困らせちゃいけない。

あたしの見ていないところで、考えて、頑張って、なんとか繋いだんだろう。

なら、あたしも...なんとかしよう。

やれるか分からないけど、

やるしか、ない。

あたしに二言はない。


「日葵、Aチームって今どこにいる?」

「フォーメーション考え直すとか言って体育館の裏にいったよ」

「なら...そこに連れてって。
...やれるだけ、やってみる」


あたしのその言葉で季節外れのヒマワリが目の前でぱあっと咲いた。