イノセント*ハレーション

駅で日葵以外のいつものメンバーと待ち合わせをして、あたし達は会場まで木枯らしに吹かれながらのんびりと歩いた。

会場に着くと、時刻は15時。

14時からプログラムは始まっていて18時まで行われることになっている。

絆奈の出番は16時過ぎで、終わり次第皆はクリパの会場(といっても駅前のカラオケやなのだけれど)に向かうらしい。

あたしはバイトと偽って1人残って17時15分開始の絆奈の劇を見る。

これが終わるまであたしは帰れない。

今日だけは逃げられない。

逃げちゃいけない。


「凪夏ちゃん、大丈夫?」

「えっ?」

「顔、ひきつってるよ。もしかして日葵の分まで緊張してくれてる?」


鶴乃ちゃんに指摘されて、あたしは気づいた。

あたし、柄にもなく緊張していたんだと。

運動会のリレーのアンカーの時だって、

参観日だって、

ジェットコースターに乗る前だって、

緊張していてもそれを表に出さずにうまく誤魔化せていたのに、

今や顔に素直に出るようになってしまったのか。

絆奈に憧れを抱かせたあたしじゃない。

不甲斐なく思う。

昔のあたし...ごめん。

今、すっごくカッコ悪い。

自分のせいで、身勝手で手放したのに、また取り戻そうとしてしている。

絆奈のことも自分も傷付けたのに、

それでもまだ欲しいなんて...。

ほんと、バカげてるって思う。

でも、あたしはもう決めたんだ。

自分に嘘はつかない。

ちゃんと謝って、

許してもらうまで謝って、

また...笑うんだ。

そう決めたから

...頑張るんだ。