イノセント*ハレーション

中学の卒業式、人目につかない木が鬱蒼と茂る裏山までバラバラに歩いてきて、立ち止まって...零れ落ちる涙を厭わずにお互いに強く抱き締め合った。

ごめんねってあたしが言って、

絆奈がごめんねって言って、

ありがとってあたしが言うと、

絆奈はありがとうって笑ってくれた。

もう1度...会おう。

あたし達は離れてたって、

ずっと友達だよ。


あたしと絆奈の別れはただの別れじゃなかった。

高校はバラバラになったけど、また会おうねって言えるような状況じゃなかった。

だからこそ、あたしは...絆奈の言葉にあれほどまで心を揺さぶられたのだろう。

心臓をもぎ取られるみたいな衝撃を感じながらも、両腕で強く引き離されないよう繋ぎ止めようとしたのだろう。


あたしは手帳に赤ペンで大きく囲った12月25日の文字を見つめた。

彼にとってもあたしにとっても、

今日は決戦の日なんだ。

あたしは夏よりも多少伸びた髪を念入りにとかし、冬服のブレザーに袖を通した。

リボンとネクタイがあるから、あたしは散々迷って結局リボンにした。

青いリボンを着け、お洒落な巻き方なんて知らないからグレーとターコイズブルーのチェックのマフラーを首にぐるぐるに巻いた。

ローファーの先をコツコツと慣らして最後の仕上げをし、あたしは家を出た。